不破聖衣来とは?プロフィールと基本情報
不破聖衣来の本名・読み方・出身地
不破聖衣来(ふわ せいら)は本名で、読み方は「ふわ せいら」です。2003年3月25日生まれ、群馬県高崎市出身の陸上競技選手です。
名前の「聖衣来」には「聖なる衣で、破れないすごい子になってほしい」という願いが込められています。この独特な名前と読み方からハーフ説も出たことがありますが、実際には海外在住経験もなく、ご両親ともに日本人で、純粋な日本人です。
不破聖衣来は小柄で、身長は154cm、体重は37kg。出身校は高崎市立中居小学校、高崎市立大類中学校、高崎健康福祉大学高崎高校を経て、拓殖大学に進学しています。
まとめると、不破聖衣来は「ふわ せいら」という本名で、群馬県高崎市出身の日本人ランナーです。名前には家族の願いが込められており、今や日本陸上界を代表する存在となっています。
家族構成とスポーツ一家の背景
不破聖衣来の家族は、父・母・姉・本人・妹の5人家族です。
祖父:クロスカントリースキーの元国体選手で、幼少期から聖衣来や姉と一緒に毎朝ランニングをしていたことが、陸上を始めるきっかけになりました。
父親:学生時代にサッカーをしていた経験があり、プロではありませんが運動神経の良さは父親譲りとも言われています。
母親:中学時代に陸上部で長距離を経験しており、母の影響で姉妹も自然と陸上に親しむようになりました。
姉(亜莉珠・ありす):実業団(センコー女子陸上競技部)で活躍する陸上選手です。
妹(珠衣琉・じゅえる):妹も陸上大会に出場経験があり、家族そろってスポーツに親しんでいます。
このように、祖父から姉妹までスポーツ経験者が揃うアスリート一家で育ったことが、不破聖衣来の才能を大きく後押ししています。
不破聖衣来の陸上キャリア
陸上を始めたきっかけと学生時代の活躍
不破聖衣来が陸上を始めたきっかけは、小学校の持久走大会で思うような成績が残せず悔しい思いをしたことでした。祖父や姉と一緒に毎朝ランニングを始め、小学5年生から本格的に陸上のトレーニングを開始。中学時代にはクロスカントリー、トラック、駅伝で全国トップクラスの成績を残し、2016年ジュニアオリンピックB女子1500mで優勝、翌年の全日本中学校陸上競技選手権1500mでも優勝しています。
高校・大学での駅伝・トラック競技の実績
高校時代は健大高崎高校で活躍。左足の故障やコロナ禍の影響を受けながらも、高校3年時に全国高校陸上3000mで6位入賞、5000mで高校ランキング1位の好タイムを記録。U20日本選手権クロスカントリー(6km)では唯一20分を切る圧倒的な走りで優勝しました。
大学では拓殖大学に進学し、1年時から駅伝でエース区間を任され、全日本大学女子駅伝や富士山女子駅伝で区間新記録や区間賞を獲得しています。故障による長期離脱も経験しましたが、復帰後も駅伝やトラックで安定した成績を残しています。
10000m日本歴代3位の快挙と世界ランキング
2021年12月、拓殖大学1年時に「関西実業団ディスタンストライアル」の女子10000mで初挑戦し、30分45秒21という日本歴代3位(当時2位)、U20日本新記録、日本学生新記録、さらにU20世界歴代5位となる驚異的なタイムをマークしました。この記録は、国内外で大きな注目を集め、日本女子長距離界の新星として一躍脚光を浴びました。

不破聖衣来と駅伝
高校・大学時代の駅伝での活躍
不破聖衣来は高校・大学時代を通じて駅伝で圧倒的な存在感を示してきました。高校時代は健大高崎高校で活躍し、全国大会でも好成績を残しています。
大学進学後は拓殖大学のエースとして、1年生から駅伝の花形区間を任されました。特に2021年(1年時)の全日本大学女子駅伝では、5区で6人抜き・区間新記録(28分00秒)を樹立し、鮮烈なデビューを飾りました。同年の富士山女子駅伝でも5区で10人抜き、区間新記録を達成しています。
2年時も全日本大学女子駅伝5区で区間賞を獲得し、安定した強さを発揮しました。しかし、その後は故障の影響で長く実戦から遠ざかり、3年時は駅伝出場がありませんでした。
最終学年となった2024年には、1年半ぶりに復帰し、全日本大学女子駅伝や富士山女子駅伝で再びエース区間を担当。全日本大学女子駅伝では区間7位、富士山女子駅伝では5区で6人抜き・区間2位という快走を見せ、チームを4位に押し上げました。
主要大会での成績とエピソード
全日本大学女子駅伝(5区)
2021年(1年):6人抜き、区間新記録(28分00秒)
2022年(2年):区間賞(29分39秒)
2024年(4年):区間7位(30分21秒)
富士山女子駅伝(5区)
2021年(1年):10人抜き、区間新記録
2024年(4年):6人抜き、区間2位、チームを10位から4位に押し上げる
不破は駅伝での「流れを変える走り」が持ち味で、特に1年時のインパクトは大きく、以降もエース区間でチームの要として活躍しました。故障で苦しんだ時期もありましたが、復帰後の駅伝では「自分の走りで流れを変えたい」「最後は意地で順位を上げたい」という強い意志を持ち、ラストスパートで順位を上げる場面も多く見られました。
大学ラストイヤーの富士山女子駅伝では、「4年間の集大成となる駅伝。個人でもチームでもしっかり目標を達成できるようにがんばりたい」と語り、実際に6人抜きの快走で有終の美を飾りました。
このように、不破聖衣来は高校・大学を通じて駅伝の大舞台で数々の記録とドラマを生み出し、チームの中心選手として活躍し続けてきました。
不破聖衣来のマラソン挑戦
マラソンへの思いと今後の目標
不破聖衣来は「一番の目標はマラソン」と公言しており、2028年ロサンゼルス五輪でのマラソン出場・メダル獲得を最大の目標としています。大学時代から長距離で日本トップレベルの実力を示してきましたが、社会人となった今、「今後は距離を伸ばしていって、マラソンに挑戦したい強い思いがある」と語っています。
まずは5000mや10000mで実戦経験を積み、その中でハーフマラソンなど徐々に距離を伸ばしながら準備を進める計画です。「いきなりマラソンは体が追いつかないところもあると思う。欲張らずに今できる練習を積みながら移行していきたい」と、段階的なステップアップを重視しています。
実業団加入後のレース予定とマラソン挑戦計画
2025年4月に三井住友海上へ入社し、実業団ランナーとしてのキャリアをスタートしました。デビュー戦となった東日本実業団選手権の10000mでは32分50秒03で5位(日本人3位)とまずまずの結果を残し、「ひとまずデビュー戦で1レースを終えることができて、安心しています」と語っています。
今後は2025年7月にオーストラリア・ゴールドコーストでのハーフマラソンへの初挑戦を予定しており、今季は「1万、長くてハーフを目標にしている」と明かしています。2027年にフルマラソン初挑戦を見据えており、着実に距離を伸ばすロードマップを描いています。
2025年シーズンは日本選手権や世界陸上、クイーンズ駅伝など主要大会への出場も予定されており、トラックとロード両方で経験を積みながら、将来のマラソン挑戦に向けて準備を進めています。
「将来はマラソンをやりたいという思いが強い。世界で戦える選手になりたい。一つ一つの大会を大切にしながら、着実にステップアップしていきたい」
このように、不破聖衣来は段階的な距離延長と実戦経験の積み重ねを重視し、2028年五輪マラソンでの活躍を目指して着実に歩みを進めています。
不破聖衣来の進路と実業団デビュー
三井住友海上への入社と実業団デビュー
不破聖衣来は2025年4月、三井住友海上に入社し、実業団ランナーとして新たなスタートを切りました。大学卒業後、三井住友海上を選んだ理由は「過去にマラソンで活躍した選手が多く、サポート体制が整っていること」「自分の目標に最適な環境であること」などが挙げられています。
入社後初のレースは5月の東日本実業団選手権(女子10000m)で、32分50秒03のタイムで5位(日本人3位)となり、実業団デビューを果たしました。このレース後、「ひとまずデビュー戦で1レースを終えることができて安心しています」とコメントしています。
実業団での目標と今後の展望
不破聖衣来の最大の目標は「マラソンでの五輪金メダル」であり、2028年ロサンゼルス五輪でのマラソン代表入りを目指しています。2025年シーズンは、10000mやハーフマラソンなど距離を少しずつ伸ばしながら、トラックとロードの両方で力をつける計画です。
今後は7月にオーストラリア・ゴールドコーストでのハーフマラソン初挑戦も予定しており、世界陸上(東京)、日本選手権、クイーンズ駅伝など国内外の主要大会での活躍が期待されています。
「一つ一つの大会を大切にしながら、着実にステップアップしていきたい」「世界で戦える選手になりたい」と本人も語っており、長期的にはマラソンで世界の舞台を目指す姿勢を明確にしています。
指導者やチームメイトとの関係
指導体制については、大学時代からの恩師・五十嵐利治氏が三井住友海上でも特別コーチとして引き続き不破をサポートしています。この継続した指導体制は、不破が安心して競技に集中できる大きな要因となっています。
また、三井住友海上女子陸上部は渋井陽子さんや土佐礼子さんなどマラソンで活躍したOGが多く、チームの雰囲気も「一人ひとりが明るく、練習しやすい環境」と本人も語っています。
同じく実力派の選手が揃う中で、切磋琢磨しながら自身の成長を目指すとともに、「応援される選手になりたい」と新たな決意を口にしています。
このように、不破聖衣来は三井住友海上での実業団デビューを皮切りに、着実にステップアップしながら世界の舞台を見据えて挑戦を続けています。
不破聖衣来の故障とリハビリ
恥骨の疲労骨折や過去の故障歴
不破聖衣来は、学生時代から度重なる故障に悩まされてきました。高校時代には左足のシンスプリント(過労性脛部痛)や疲労骨折を経験し、2年間ほぼ棒に振るほどの影響を受けました。大学進学後は、2022年1月の全国都道府県対抗女子駅伝後に座骨周辺の痛みを訴え、その後右足アキレス腱周囲炎と血行障害を併発。この影響で長期間の静養を余儀なくされ、春先まで歩行も控えるほどでした。
さらに2023年夏には、恥骨下枝の疲労骨折が判明し、約3か月間の休養を余儀なくされました。恥骨の疲労骨折はランナーに多い故障で、復帰まで2~3か月を要することが一般的です。不破も例外ではなく、富士山女子駅伝2023での復帰を目指していましたが、骨折の影響で出場を見合わせています。
故障からの復帰と現在のコンディション
長期にわたる故障とリハビリを経て、不破聖衣来は大学4年春に実戦復帰を果たしました。2024年5月の関東インカレ女子10000mでは33分40秒20で9位となり、着実にレース感覚を取り戻しています。また、2025年春からは三井住友海上に入社し、実業団デビュー戦となった東日本実業団選手権女子10000mでは32分50秒03で5位(日本人3位)と堅実な走りを見せました。
本人は「ひとまずデビュー戦で1レースを終えることができて安心しています」と語り、現状は大きな故障もなく、体と相談しながら練習とレースを重ねている状況です。今後はマラソン挑戦を見据えつつ、まずはハーフマラソンやトラックでの実戦経験を積み、完全復活への道を着実に歩んでいます。
また、ボディケアやセルフケアの重要性を強く意識しており、ファイテン社のサポートを受けながら、日々のトレーニングの質を下げないよう努めていることも明かしています。
このように、不破聖衣来は度重なる故障を乗り越え、現在は実戦復帰を果たし、コンディションを整えながら新たな挑戦に向けて前進しています。
まとめ:不破聖衣来の今後に注目
不破聖衣来は、度重なる故障を乗り越え、2025年春に三井住友海上へ入社し、実業団ランナーとして新たなスタートを切りました。デビュー戦となった東日本実業団選手権女子10000mでは32分50秒03で5位(日本人3位)と、復調の手応えを感じさせる走りを披露しています。
今後は、まず10000mやハーフマラソンで経験を積み、2027年のフルマラソン初挑戦、そして2028年ロサンゼルス五輪でのマラソン出場とメダル獲得を最大の目標に掲げています。2025年シーズンは、世界陸上(東京)、日本選手権、クイーンズ駅伝など国内外の大舞台での活躍も期待されており、「世界で戦える選手になりたい」「一つ一つの大会を大切にしながら、着実にステップアップしていきたい」と本人も語っています。
大学時代から続く恩師・五十嵐利治氏の指導のもと、充実したサポート体制と実力派のチームメイトに囲まれ、着実に自己の目標へと歩みを進めています。今はまだ完全復活への道半ばですが、実業団での経験と新たな挑戦を重ねることで、不破聖衣来のさらなる飛躍が大いに期待されます。
これからも、不破聖衣来の成長と挑戦から目が離せません。